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12/2(土)  『DIYの芸術表現』トークイベント@京都のご案内


ドイツより来日中の音楽家レーナ・ヴィリケンス(Lena Willikens)と美術家ザラ・チェスニー(Sarah Szczesny)の誘いで、京都・鴨川にあるゲーテ会館のホールにてトーク・イベントに参加します。相棒はKOPY/タートル山で活動する呉山夕子(くれちゃん)です。お題は我々に相応しい「DIYの芸術表現」!入場無料&申し込みも不要ですので、皆さま、ふらっとお立ち寄り下さい。設備が良くて快適だと評判です。(※YPY日野君も参加するかもしれません)

以下、公式FBページより転載:

https://www.facebook.com/events/336872593388739/

2017年12月2日(土)15:00 ~
会場:ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川、ホール
Sakyo-ku, Yoshida Kawahara-cho 19-3, 京都市 606-8305

入場無料(カフェミュラーでの飲食は各自ご負担ください)
申込不要、日独同時通訳付

第1部:DIYの芸術表現
レーナ・ヴィリケンス (音楽家)
ザラ・チェスニー (美術家)
江村 幸紀 (音楽プロデューサー、文筆家、DJ)
呉山 夕子 (音楽家)
小崎 哲哉 (司会)

第2部:演劇が街に出るとき
ミヒャエル・グレースナー (舞台美術家、舞台衣裳家)
高嶺 格 (美術家、演出家)
小崎 哲哉 (司会)

第1部:DIYの芸術表現
ポピュラーカルチャー(大衆文化)とハイカルチャー(“高尚”文化)の上下関係は、いまや世界的に消えつつあります。テクノロジーが進歩し、専門的な機材が安価になってきたこともあって、アマチュア的な表現手法と、プロとは異なる独特な作風が芸術文化の世界で市民権を得つつもあります。「偶然」を前提にし、失敗・不完全さ・間違いなどを許容する創作活動。その中では、作品の良し悪しは、どのような基準で評価されるのでしょうか。

第2部:演劇が街に出るとき
昨今、舞台芸術のありようが大きく変わろうとしています。受身の観客を単に楽しませるのではなく、今日的な主題について、作者や演出家や出演者とともに、アクティブに考えさせようとしているのです。その結果、演劇が劇場の外に出てゆくケースが増えてきました。公共空間において社会的なプロジェクトへの参加を促そうというわけですが、このやり方はうまく機能するのでしょうか。演劇は新しい社会的役割を果たすことができるのでしょうか。

トークの後は、館内のドイツカフェ『カフェ・ミュラー』にて、ドイツビールやおつまみを片手に交流をお楽しみください。交流会では、滞在中のドイツ人芸術家の作品も、モニターでご覧いただけます。

★詳細:http://www.goethe.de/ins/jp/ja/kam/ver.cfm?fuseaction=events.detail&event_id=21101597
★ヴィラ鴨川のYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/goethekyoto


アレキサンドラ・アトニフ来日レコ発LIVE情報(11月24〜26日)


テクノ〜ノイズ・インダストリアル〜ダブステップ〜トラップのファンまで次々と虜にする現役最強のリズミックノイズ/ドラムンノイズ女子、Alexandra Atnifが、エム・レコードからの『リズミック・ブルータリズム第一集』&『同 第二集』の同時発売記念で来日演奏します。今回の初公演は大阪〜京都〜東京で3日連チャンという攻撃的な日程。どの会場も強力サポーターで固めております。以下、日程をご確認のうえ「リズミック・ブルータリズム」ぜひご体験下さい。

=アレキサンドラ・アトニフ《リズミック・ブルータリズム》ツアー=

●2017年11月24日(金)
@大阪・東心斎橋 atmosphäre(アトモスフェール/通称アトモス)
https://twitter.com/aatmospharee

FBイベントページ:https://www.facebook.com/events/143420873055390/

Open/start: 20:00 close 24:00
Door: 1000yen

■出演:
Alexandra Atnif
OBOO (吉田ヤスシ+神田剛誌)
元山ツトム (えでぃまあこん)
中琢爾 + Tim Olive
DJ SPINNUTS


●2017年11月25日(土)
@京都・外 (soto)
http://soto-kyoto.jp/event/171125/

FBイベントページ:https://www.facebook.com/events/143420873055390/

開場・開演: 18:30
料金: 2,000円(*当日券は+500円)

■LIVE:
Alexandra Atnif
YPY
中琢爾 + Tim Olive

■DJ:
行松陽介
Eel’s Bed (EM Records)


●2017年11月26日(木)
“SOI48 VOL.25 ALEXANDRA ATNIF LIVE”  @東京・新宿 BE-WAVE B1F

Be-Wave公式web:http://www.be-wave.co.jp/rental-space/
イベント詳細:http://soi48.blogspot.jp/2017/09/1126sun-soi48-vol25-alexandra-atnif.html
FBイベントページ:https://www.facebook.com/events/1401902646585104/

OPEN: 18:00-24:00
エントランス: 2,000YEN

※ご来場のお客様はお店にドリンクオーダーをください。
※再入場可。出入り自由。

■LIVE:
Alexandra Atnif
GRIM

■DJ:
Soi48 (Keiichi Utsuki & Shinsuke Takagi)
俚謡山脈 (Moodyama & Takumi Saito)
Koichi Tsutaki
Kunio Teramoto aka Moppy


Alexandra Atnif (Romania):
ルーマニア、ブカレスト出身。建築とクラシック音楽を学び、50-70年代に興った建築形式「ブルータリズム(brutalist architecture)」にインスパイアされた音楽「リズミック・ブルータリズム」を提唱。高額な機材を一切使わずフリーウェアを駆使して生み出す作品は、装飾を削ぎ落とした剥き出しのコンクリートのような質感を持ち、エスプレンドー・ジオメトリコらノイズ/インダストリアルの偉大なる先人たちを彷彿とさせる凄みを漂わせる。ミニマル・テクノの機能性を保ちつつクラブ・ミュージック通過後のノイズ/インダストリアル・ミュージックが失ったヴァイブス、荒々しさを感じさせるサウンドは、既存のインダストリアル・テクノとも一線を画す。現役最強のリズミックノイズ/ドラムンノイズ作家として、クリエイター達や音楽ナードから急速に支持を集めている。現LA在住。

『リズミック・ブルータリズム第一集』http://emrecords.shop-pro.jp/?pid=122381514

『リズミック・ブルータリズム第一集』http://emrecords.shop-pro.jp/?pid=122381712

『リズミック・ブルータリズム第一集&二集(2CD)』http://emrecords.shop-pro.jp/?pid=122381883


リーヴォン・マーティンス・モアーナ来日ツアー情報(10月11日〜)


Dolphins Into The Future(通称「イルカおじさん」)ことリーヴォン・マーティンス・モアーナ(Lieven Martens Moana)が、エム・レコードからの新譜『Three Amazonian Essays』(10/7発売)にあわせ、10月にレコ発を兼ねた来日ツアーを行います。早々とSOLD OUTとなった昨年の大阪/東京公演であの楽園サウンド世界を体験できなかった皆さん、今回はお見逃しなく。(この作家は音量感を極限に抑えた演奏を行うため、個々人の聴取能力が試されることにも)

=ツアー日程=

■2017年10月11日(金)
@渋谷・DOMMUNE

公式web: http://www.dommune.com/

■2017年10月13日(水)
@渋谷・WWWW 〜Balearic Park” – Autumn 2017〜

※共演:Suzanne Kraft / Andras Fox / Kikiorix / Sisi / Typhonian Highlife / chihei hatakeyama / hakobune / 橋本 徹

公式web: http://www-shibuya.jp/
イベント詳細:http://www-shibuya.jp/schedule/008374.php

■2017年10月14日(土)
@新潟・燕喜館〜experimental room #26〜

※Spencer Clarkとのジョイント公演です。

公式web: http://www.experimentalrooms.com/
イベント詳細:http://www.experimentalrooms.com/events/26.html

■2017年10月15日(日)
@京都・外 (soto)

※Spencer Clarkとのジョイント公演です。

公式web: http://soto-kyoto.jp/
イベント詳細:http://soto-kyoto.jp/event/171015/

■2017年10月19日(木)
@大阪・CONPASS

※共演者は近日公開。

公式web: http://www.conpass.jp/
イベント詳細:http://www.newtone-records.com/event.php?eid=754


★8/18(金) Nippon Ongaku ニッポンオンガク #3のお知らせ★


今年もまたまたまた日本の音楽をかけます。

日本音楽の紹介者としてDJ/選曲家/ミュージシャンとして活躍、欧米ではオーソリティーであるJapan Bluesことハワード・ウィリアムズ。ベストセラーとなった英Honest Jonsでの浅川マキの海外再発の発起人であり、今春は長年温めていた念願の和物ディスコ・ファンクのコンピレーション企画『Lovin’ Mighty Fire: Nippon Funk, Soul, Disco 1973-83』(英BGP)を編纂して旋風を起こし、自身もリミキサーとしてソロ作品を発表するなど精力的に活動するハワードさん、今年も来日(魂の里帰り)されますので恒例の「ニッポン音楽」ナイトを開催します。流すのはぜーんぶ日本の音楽のみという縛りのイベントで、個性的なDJとバンドが彼をサポートし、皆様を暖かくお迎えします。さーて、今回は一体何がかかるんでしょうか!?

DJ: Japan Blues (Howard Williams from London / ex-Honest Jons)

SUPPORT DJs:
DJ Mr. jin(from 国産黒盤會)
Neko Massive(Folk Night)
DJ Genyah-Man(レコード北摂スタイル)
DJ薬師丸(セーラー服)

SPECIAL LIVE:
I M O (アイエムオー)

■会場:Corner Stone Bar
〒550-0015 大阪市西区南堀江2-13-26 2F
■日時:2017年8月18日(金)
■START:19:00〜 ※ハワードさん出番は早い時間帯になりますのでお気を付けください
■CHARGE: 1000yen

Facebookページ:https://www.facebook.com/events/117421565554360/?fref=ts

=SMOKE-FREE 当日は場内禁煙ご協力お願いします=


★8/6(日)神保町・試聴室のイベント『TRIP TO (おてもやん)ISAN』のご案内です★

井手健介さんと神保町・試聴室さんのお誘いで、井手健介と母船『おてもやん・イサーン』12インチと、ベストセラーになっているSoi48の著作『旅するタイ・イサーン音楽 ディスク・ガイド TRIP TO ISAN』の2作の発売記念トークショーに参加致します。

今回はこの2作にまつわる話を中心に、いつもの江村&Soi48とのコンビに加え、井手健介さん+母船のベーシスト、墓場戯太郎さんを交えてトークをします。和製タイ・ポップス(?)という新ジャンルを提唱する「おてもやん・イサーン」は逸話だらけですが、そもそもはSoi48との交流が無ければ生まれなかった曲です。そのリリースへ道のりを改めて辿りながら、タイ音楽のエキスパートであるSoi48のガイダンスで、井手作品に関係する現地タイ音楽を聴いていきます。また関連映像も流しながら、初めて方にはよく分からないタイ音楽の解説と用語の説明を丁寧にしていきたいと思います。井手健介と母船のファンだけでなく、ワールドミュージック、クラブミュージック、日本のポップス好きの方にも興味深い話になると思います!今回は特別に試聴室さんがタイ料理を出されるそうなのでこちらも楽しみです!

以下、試聴室の公式ページより抜粋:

■『TRIP TO(おてもやん)ISAN』■

登壇: 江村幸紀 (エム・レコード)、Soi48、井手健介、墓場戯太郎(母船ベーシスト)

出店:EM Records、Soi48
タイ料理:試聴室

■2017年8月6日(日)
■開場:18:00 / 開演:18:30
■料金:予約 2,000円 (1ドリンク, スナック込)

Soi48『旅するタイ・イサーン音楽 ディスク・ガイド TRIP TO ISAN』、井手健介と母船『おてもやん・イサーン』発売記念トークショー!
両者をつなぐキーパーソン・EM Recordsの江村幸紀さんを大阪よりお迎えして、タイ・イサーンの音楽<モーラム・ルークトゥン>をめぐる果てしない旅について、そして海を渡って完成した和製モーラム・ルークトゥン「おてもやん・イサーン」について語ります。
ここでしか聴けない(?)タイの音源や、「おてもやん」元曲のヤバすぎる秘蔵MVの上映などもご堪能いただける予定です。
また、EM RecordsとSoi48による豊富なマーチャンダイズも有りマス。お楽しみに!

視聴室web:

http://shicho.org/2017/08/1event170806-2/

〒101-0065 東京都千代田区西神田3丁目8−5


■■■お知らせ■■■

関係各位、並びに顧客の皆様、

いつも大変お世話になっております。

2017年7月6日〜17日の間、エム・レコードの事務所・倉庫移転に伴う諸作業のため一時的に商品発送を休止致します。通常発送の再開は7月18日を予定しております。受注はいつも通り受け付けております。

皆様には大変ご不便をおかけしますが、何卒ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

エム・レコード


©Bangkok Nites Partners 2016

 

空族インタビュー:『バンコクナイツ』サントラ秘話

話し手:富田克也(空族)相澤虎之助(空族)
聞き手:江村幸紀(エム・レコード)

「早くも2017年日本映画のベスト・ワンに遭遇?」(キネマ旬報)と話題にのぼる『バンコクナイツ』の待ちに待った関西初上映初日(4月1日)、シネ・リーブル梅田に舞台挨拶に来られた空族の富田・相澤両監督に取材を行った。昨年から空族の様々なインタビューが紙面やネットを賑わせているが、『バンコクナイツ』の音楽面について焦点をあてたのは今回が初。音楽好きの方も楽しめること請け合いのインタビューだ。

Original Soundtrack [ バンコクナイツ Bangkok Nites ] [EM1162CD]

始まりは「田舎はいいね」と「イサーン・ラム・プルーン」だった

――『バンコクナイツ』は音楽でも評判になっています。菊地成孔さんが『CULTURE Bros.』で「職業音楽家として聞いても素晴らしい」と仰っていたのがすごく嬉しかったです。いわゆる音楽映画ではないんですが、それに近いものになっていて、3時間の映画で音楽が実は3分の1流れています。これは偶然ですか?意図ですか?

富田「これはもう撮る前からこの映画は音楽だらけになるだろうという予想はしてて、その通りになりましたね」

――音楽の付け方について、この曲を使いたいと思った第1号はなんですか?

富田「ディー・テーテーですね」

――「田舎はいいね」ですね。

(※「田舎はいいね」はルンペット・レームシンが歌うルークトゥン曲の題名で、富田監督の言う<ディー・テーテー>は印象的な歌い出しの部分を指している)

相澤「僕は「イサーン・ラム・プルーン」だったですね」

(※「イサーン・ラム・プルーン」はアンカナーン・クンチャイが歌うルークトゥン・モーラムの大名曲。映画のエンディングで使用された。ちなみに劇中でエディット無しのフルコーラスで使用されたのはこの曲と「田舎はいいね」の2曲のみ)

富田「ディー・テーテーは割と早めに発見したんですね。この曲、コンピレーションで聞いちゃったんですけど、それからずっと、絶対にディー・テーテーを使おうと思って」

――「田舎はいいね」はタイ語がなんとなく分かってきたときに聞いたんですか?

富田「ディーは分かる。「良い」ってことですけど、テーテーが分かんないから、それで周りのタイ語できる人に聞いて、これ何ていう意味なんだろうねぇ?とか言って、ああ、田舎はいいねって話なんだなあ、こっちはいいよ~って歌ってることが分かって、バッチリだ。だから、ノンカーイ(※タイ東北部の地方都市)に突入した瞬間に、あのショットでこの曲をかけるってのは、もう一番最初に頭に浮かんでて、その次がたぶんね、あのアンカナーン・クンチャイ「イサーン・ラム・プルーン」じゃないかなぁ。あれ?逆だっけ?笑」

相澤「俺は「イサーン・ラム・プルーン」じゃないかなぁと。時系列ではね」

富田「そおだったかなぁ~?その可能性も……ある。笑」

相澤「忘れちゃったなぁ、どっちが早かったかなぁ~」

アンカナーン・クンチャイ&ウボン・パッタナー・バンド [ イサーン・ラム・プルーン ] CD

富田「「イサーン・ラム・プルーン」は聞いて一瞬で気に入ったんだけど、どこで使おうかっていうのは少し迷ってて、後で決まったと思う」

――今の話を聞くと、映像イメージがまずありきで、そこに付ける音楽を探していたという風に取れるんですけど。

富田「はい」

――そのプロセスが気になって。曲を聞いて映像イメージが浮かぶ場合もあるのか……。

富田「最初は曲聞いて、うわっ、いいなぁ~、どっかで使いたい、でもどこだろう?で、歌詞を聞いたら、つまり「田舎はいいね、こっちはいいよ」って内容だった。なるほど、じゃあ、ノンカーイ・パートに入る、田舎に入るところで使おう、と」

相澤「曲の方が先だったよね?」

富田「曲の方が先」

――歌詞内容は要するに田舎賛歌ですね。ルークトゥンの王道のテーマ。

富田「その後、ロケハンして旅をしていく中で、あのショットの、あのノンカーイ、あの風景の場所に付けて、ああっ、ここで、あの曲がバ~~~ンっ、バンっ、バンって始まるという」(※この「バ~~~ンっ、バンっ、バン」はイントロ伴奏のリフを表現していらっしゃいます。念のため)

――説明しておくと、空撮のところ。ゆったり空から降りて行くシーンの事ですね?

相澤「メコン川を見下ろして」

――空族初の空撮。

相澤「そうです、そうです(笑顔)」

富田「バンコク・パートからノンカーイ・パートに入る」

――田舎と都会の区切りの象徴ですね。

富田相澤「そうです!」

――試写の段階で「あの曲は何だ。あの曲が欲しい」とみんなに聞かれて、その時はまだサントラ制作は決まってなくて、「これは……まだ分からないんです」と答えるのが悔しかったですね。さて、この「田舎はいいね」と「イサーン・ラム・プルーン」に惹かれた理由は何ですか?

富田「う~~ん(考え込む)。やっぱ、こう、ああ、俺はほんとはこういうのが好きだったぁ~って、思ったんです」

相澤「とんでもない感じでしたよね。要するに自分たちが今まで聞いてた音楽の上を、何か、ワーっと、そこにブッかぶさって来たっていうか。そういう感じの体験。だから、例えば、第一印象いわゆるファンキーな曲だとか思うけど、今まで聞いてきたファンクとかレゲエと違う、聞いたことない曲だったんですね。そういう中でも記憶にはない曲だけど、感覚では分かるっていう曲だったって感じだった、みんなで聞いた時は」

富田「あの~、一応、僕、元々はバンドをやりたくて東京に出たって事になってるんすよ。経歴上だと。笑」

――オザワではなく?

富田「オザワでなく富田です。高校を卒業してバンドをやりたくて上京っていうプロフィールだったんです。あの頃(※90年代初期)、普通に田舎の少年がバンドやりたくてって時代だったから。ロックというものを中心に僕の音楽が形成されてるわけです。それでほら、パンクやニューウェーヴとかかじったんですけど、虎ちゃんが今言ったように、色んなものが少しずつ入っていますよね。例えば、レゲエの感じとか、ロックのこんな感じとか入ってたんですよね」

――音楽が大好きですよね。

富田「いやいやいやいや。そうしといてください、じゃあ(笑)。そこまでじゃないですけど。それで「田舎はいいね」にしろ、アンカナーンさんにしろ、最初に聞いたとき、あぁ、理想としている音楽が全部入ってる!」

――ビリビリ感じた?

富田「はい。あああぁぁ~っていう。それまで聞いた事ないんだけど、そこになんとなく自分の理想みたいなものが全部あって。それは音質の事も含めて。古いあの感じの録音とか。最初はレゲエみたいに感じた。歌詞の内容もそう。自分の思ってる理想の音楽みたいな気がしたんですよ」


『バンコクナイツ』音楽の三本柱

――映画の音楽担当は山﨑巌さんとYoung-G(中村誠治/stillichimiya)ですよね。この二人の起用はいつ決められましたか?

富田「それは最初っからですね。これまで映画作って来た流れで、今回も山﨑さん率いるバビロンバンドにやってもらう事になるだろうし、Young-GにはEDMを中心に作ってもらう事になるだろうと思ってました。そこに加えてタイの音楽にも出会えた。三本柱ですね」

――一本目は山﨑さんとバビロンバンド。二本目がYoung-G。三本目がタイ、ですね。Young-Gが作る曲は、僕からすると現代性を加えている点が重要で。そして、山﨑さんですが『バンコクナイツ』に一番多く登場するのがバビロンバンドの曲です。これらは以前録った音源を使われたそうですが、何だったのでしょうか?

富田「『バビロン2ーTHE OZAWAー』のサントラからです」

――『バビロン2ーTHE OZAWAー』の音源をなぜ再び持ってきたんですか?既に出たサントラ曲の再使用ってのは聞かない話です。

富田「『バンコクナイツ』と『バビロン2』は姉妹作品なんです。元々、自衛隊員のオザワってキャラクターは『バビロン2』で初登場するんです。そのオザワが『バンコクナイツ』にも引き継がれる事になったので、意図的にダブらせました」

――これは重要です。その辺り詳しくお願いします。

相澤「『バビロン2』の話から言えば、僕が東南アジアを旅した経験から作ったものですけど、向こうのちょっとしたバーとか、バービア(※ピンクに光ってる屋台形式のガールズバー。タイに無数に点在)に行ったりするとですね、白人の人たちがロックを聞いてる、やっぱり。昔の世代の、CCRだとか、その昔のベトナム戦争時代の曲がほんとに流れて来るんですよね。そういうのって実はアジアの一風景で、ああいう風な感じを生み出しているのが60年代の音楽だったり、ロックだったり。でもそれは実際、僕らの映画には使えないわけです(※ライセンス料が高額なため)。だから、そういう60年代ロックの雰囲気で作ってくれって僕たちが山﨑さんに頼んだんですね。それがバビロンバンドだった」

富田「実際、ノンカーイのバービアにね、白人のオッサンたちが飲みに来るわけ、毎晩、毎晩、溜まってるわけ。今、みんなYouTubeだから。バーでかける曲も、スピーカーつないで、パソコンのところ行って、ジュークボックスみたいにYouTube選んで、白人のオッサンたちに任せておくとそれこそCCRとかねぇ、80年代ヒット曲とか」

相澤「90年代までとかの曲をやっぱりかけるんですよ」

富田「俺達はそこでカラバオとか、カラワンとかを流す(笑)。だんだん、俺達の音楽知識が増えていくことによってルークトゥンとか、モーラムとかをかけちゃうわけですよ。そうっすっと、白人のオッサンたちがそんな曲かけられても、まったく面白くも何ともねぇよって顔で、曲が終わったとたん、すぐCCRとかに戻す。このせめぎ合いをね、日夜やってたんですよ、向こうでね。笑」

(※カラバオ、カラワンは通称プア・チーウィット(=生きるための歌)と呼ばれるタイのジャンルの代表バンド。共産主義~左傾の歌詞で知られる。バービアにたむろする類いの人間を痛烈に批評する歌が多い)

相澤「笑。毎晩やってたね」

富田「『バンコクナイツ』でもね、ノンカーイのスマイル・バーのシーンで、その曲の変えっこを実はサラッとやってるんですよ」

相澤「そうね」

富田「店で働く女の子が選曲したと思われるカラバオの曲を白人のオッサンが変え、そこで流れてくるのがバビロンバンドの曲っていう寸法でした。分かりにくいとは思いますが。笑」

――後半のオザワのシーンでバビロンバンドの「Song of an Angel」が、50年代調のいわゆる三連のロッカ・バラードの曲が入るんですけど、この選曲が拍子抜けする感じがして、逆にすごいなと思ったんですよ。通常の映画の進行だったらクライマックスがあり得る絵で、緊張感がグッと来るところで、あの拍子抜けのロッカ・バラードが来た。そのセンス。誰が決めたか?

富田「僕なんです」

――コレだって決めてあったんですか?

富田「元々、あの曲も『バビロン2』でかかってるんですね。『バビロン2』では最初にかかる曲がアレなんです。レストランのステージでベトナム人の歌手が歌っているシーンにバビロンバンドが付けた曲です。だから歓声と拍手が入れてあるんです。オザワのところに付けると拍手と歓声で迎えられてるみたいで面白かったので。これだなと。江村さんが仰ってくれたように、拍子抜けしてるくらいでちょうどいいなと思ったんで、いろいろ嵌った感じでした。そもそも、あの曲を山﨑さんたちにオーダーしてるのは虎ちゃんなんですよ。『バビロン2』のとき」

相澤「あれは、そう、ロージー&ジ・オリジナルズ(Rosie and the Originals)ってアメリカのバンドに「Angel Baby」ってのがあるんですけど、アレのパクりを作ってくれって頼んだ曲なんですよね」

富田「それでほら、『牯嶺街(クーリンチェ)~』の……」

相澤「ああ、それからあの、エドワード・ヤン監督の『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』っていう映画で、登場人物でリトル・プレスリーってのが出てくるんですけど。その子供が歌うんですね「Angel Baby」を」

――やられた!これはもう最高のオマージュと引用です。

富田「実は、僕はこの映画を何回も見直して来たけど、今まで『牯嶺街~』に出てくるメロディーは英題にもなっている、プレスリーの曲の方しか残ってなかったわけです。でも、虎ちゃんはほんとにサラッとしか流れない「Angel Baby」が記憶に残ってたから。なかなか憎い(笑)」

――そういえば山下達郎さんにもロージー&ジ・オリジナルズへのトリビュート曲があるんですよ。「おやすみロージー」だったかな。

相澤「マニアック……」


DJ KENSEI、Tondo Tribeとの知られざる交流

――さて、あのKENSEIさんが曲を提供されてますけど、タイでの撮影中にKENSEIさんが現場を表敬訪問されて生まれた話だと聞いています。

富田「そうですね」

――曲の採用はその場で決めたんですか?

富田「いや、その時は撮影で夢中になってて、KENSEIさんによくよく挨拶もせず。KENSEIさんは遠慮がちに後ろの方で見ててくださってました。「あの~、じゃあ僕これで失礼します」「あっ、帰っちゃった!」みたいな感じになっちゃって(苦笑)。その時はお話できなくて。撮影を終えて一息ついてたら、Young-Gが「KENSEIさんがこれだけのトラックを預けてってくれたんすよ」って、その直前までイサーンやラオスを旅しながら作りためたスケッチのようなトラックたちを聞かせてくれたんです」

相澤「『IS PAAR』を作ってる時ですね」

富田「当然まだCD発売の前でしたが、ポンと置いてってくれて。で、そしたらケーンの音は入ってるし、これから僕らが撮影で向かおうとしている方角からの音がたくさん響いてくるんです。予感のようでしたよ。完全にリンクしてましたね」

――KENSEIさんですが、エム・レコードで既に出ていたんすよ。ALTZ(アルツ)って大阪のアーティストがいるんですけど、彼に発注したアルバムにDJ KENSEIがフィーチャリングされてて。なにか、因縁めいたモノを感じました。

富田「『バンコクナイツ』で2曲、KENSEIさんの曲を使わせて頂きました。ひとつは「Khane Whistle」と、もうひとつは「「Vang Vieng Bank (Change Yen to Lao) 」。あれが見事にラオスのバンビエンで作られた2曲で、まさに劇中のラオスシーンにピッタリと嵌りました。というか、僕ら撮影隊がバンビエンに到達したら全員の頭の中では既にこの2曲が鳴り続けているくらい、その後KENSEIさんのビート集を聴きまくってましたね。遡っていく感じでした」

――その曲がラオス録音って分かってました?

富田「はっきりとは。でも、KENSEIさんの道のりが、そのまま俺達の現場になっていくので、その土地に行って聞くと一致するわけですよね。自分たちがその場にいる感覚にKENSEIさんも触れているわけで、そこで作った曲がやっぱりスッと入って来る」

――それで腑に落ちました。KENSEIさんが入って来るのは、どういう経緯だったのか興味があったので。

相澤「別にこっちからお願いしたわけでもないし、KENSEIさんもそうだったと思います。やっぱり運命的に旅が重なってたんですね、KENSEIさんと」

Tondo Tribe, Young-G, 田我流 ©Bangkok Nites Partners 2016

――KENSEIさんから派生するんですけど、トンド・トライブ(※フィリピンのヒップホップ・グループ)の起用は事情を知らないと唐突感が否めないですが、これは誰のアイデア?

富田「俺と虎ちゃん二人で。あのラオス・パートには、とにかく今まで関わった仲間達を全員終結させたい、っていう狙いがあったんですよね。んで、トンド・トライブは『サウダーヂ』が終わって、確か1年、いや2年経ったくらいかなぁ~。たまたま誠治(Young-G)から夜中、電話かかってきて「ヤバい話きましたぁ~。マニラのトンド地区っていうのがあって、知ってますぅ?」って。「まさか、あの有名なヤバい街か?」って。東南アジア最大のスラムの」

――商店が檻というか金網で囲われてて、商品受け渡す場所がこれくらい(15cm四方)しか開いてないとか、ですよね。すぐ強盗来るから。

相澤「そう、そう、そう」

富田「で、誠治が「そこに入り込める話っす」って。ワークショップやるんだと。つまり、国際交流基金がスポンサー、スラム地区にいる少年少女たちを、つまりその、ヒップホップで自立させる、そういう音楽に触れるっていうワークショップ」

相澤「そういうプロジェクトがあったんです」

富田「stillichimiyaのトラックメーカーであるYoung-GとBig Benのおみゆきチャンネルっていうクルー内ユニットが呼ばれたんです」

――知らなかった!おみゆきチャンネルがワークショップとして行った?それはちょっと色んな意味で危険でヤバイです(笑)。何年ですか?

富田「2012かなぁ~」

――その時にトンド・トライブと交流したんですね。

富田「したんです。トンド・トライブとおみゆきチャンネルでアルバムとMV作ろうって流れ。ドイツからは黒人のプロデューサーと、中米系のダンサーが来ました。このダンサーの彼の父親はMS13(※中米最大のギャング・グループ)の創始者メンバーのひとりだと言ってました」

――これでトンド・トライブの登場に合点がいきました。アジアン・ミュージックって言い方は好きじゃないんですけど、アジアに分散している点と点が映画上で繋がって線になるっていう示唆的なシーンだと思いました。

富田「誠治がそう言った時に俺達も行きたくなったんですよ。そんなチャンス滅多にない。毎日、銃撃戦が起きちゃうような場所だから、よっぽど何かないと入り込めないだろうと。で、空族がそれをドキュメンタリーとして撮影するので、俺達も同行させてもらえるよう誠治に頼んで交渉してもらったら、「行けるっす、監督!」みたいな感じで。で、俺と虎ちゃんと助監督の河上健太郎の3人で空族として参加して、おみゆきチャンネルと5人で乗り込んで、トンド・トライブと2週間びっちり、ずっと一緒にいたから、めっちゃ仲良くなって」

相澤「フィリピンはヒップホップが物凄くて、盛んなんですね」

富田「歴史も古く」

相澤「古いんすよ、アジアで一番、古いから」

――英語圏だから根付きやすいですよね。

富田「そー、そー、そー」

相澤「逆にその~、だからYoung-Gとか、いわゆる<アジアのヒップホップ>という物に目覚めたと言うか」

富田「そうそう、だから、この企画におみゆきチャンネルを選んだ国際交流基金はよくみてるなと思いました。そして、トンド・トライブも本当に凄かったし」

相澤「こんなに凄いんだぁ~みたいな。モロで見てたから、フリースタイルにせよ、何にせよ。そういうところで僕たちも彼らの音楽に物凄いビックリしたし、彼らは彼らで真似モンじゃない物を構築しようとしてるってのがあったから、これは!って事で」

富田「そこら辺の屋台で物凄いブートをぶわぁ~って売ってるわけなんですよね、タイと一緒で。Young-Gもそこでハマって、山ほどディグって帰ったわけですよね。あいつの「PAN ASIA」シリーズはそこから始まったんじゃないかな。それで「PAN ASIA」でフィリピンだけじゃなく、いろいろ掘り始めたらタイのヒップホップも引っかかるだろうし」

――中村君(Young-G)、アジアン・ヒップホップ詳しいんですよ。なんで知ってんのかなぁと思ってて。

富田「それが大きかったのは間違いないと思いますよ。それでトンド・トライブとはその後、付き合いが続いているんです。リーダーのシルバートは、そのワークショップの日本版が開催されたときに来日もしまして、山梨にも連れていきました」


占い師サイの名シーン誕生の裏には

――次の濃い話ですけど、みんなの脳裏に焼き付いて離れない、あのアンカナーン・クンチャイが演じた占い師のシーンについて。アンカナーン出演のアイデアはいつ芽生えましたか?

富田「Soi48と出会ってからですね」

――Be-Waveでやったアンカナーンさんの初来日公演とタイ音楽講座に、実は両監督で来てたんですよね?Soi48と僕の3人でやってて、あの時が東京編の第1回でした(※先に2回大阪でやっていた)。知り合った後になってお二人が参加していたと知らされて、僕らも二重で驚いたっていう。あれ以降なんですね。

富田「もちろん、ご本人を目の当たりにしたっていう事があって、ただ、その時は僕らアンカナーン・クンチャイって言われても、何にも分からないで行ってますから。そこで、あのCDを買ったわけですよ。『イサーン・ラム・プルーン』を(※エム・レコードより発売中♡)。それで帰ってパカって再生して。わぁ~~~~っ!これもう絶対使いたい!とまず思った。で、そこからこうずっと頭に残り続けてたけど、まさか、出演してもらうなんて急にはちょっと。でも、よくよく考えて、これ、Soiに相談すりゃ、なんとかなんじゃねぇか!?みたいな事をある時から言い出したんですよ」

相澤「映画後半で、占いおばあさんって役が出てて、それで、その時に顔が出てきたんです」



富田「そう、これ誰にやってもらう?もしかして、アンカナーンさんがこれやってくれたらヤバい事になるんじゃねぇか説が出始めた。で、恐る恐るSoi48に聞いたら、物凄く軽~く「いや出ますよ~」「嘘だ~!」なんつって。(軽い口調で)「いや、全然イケると思いますよー」って(一同、笑)」

――その話ですけど、プロとして興行をされている方なんで、その出演オファーを聞いても、まぁ大丈夫でしょうって僕らでは言ってましたよ。で、噂ではあの重要シーンの撮影が一発OKだったと。

相澤「一発OK。動じず、微動だにせず」

富田「じゃあ、そろそろ、よーい、パチンってやって。スーっとこちらを向き直ってそっからのアレ(※ラックを癒す祈祷シーンのこと)でした。みんな固唾をのんでねぇ。3カメ置いて。まず、正面の引きと、ラックのアップと、そして、アンカナーンさんのアップ。構えて、よーい、スタートして。ほんで、一発。最初あっけにとられちゃって。それでようやく、あっ、OKっでーーす、みたいな。改めて、おおおおお~!って」

相澤「一瞬ね、持ってかれてましたよ」

富田「カットするの忘れてた」

――あのシーンを映画館で見た女子達、泣いてましたよ。名シーン。

相澤「あのラムは主演女優のジョイ(=ラック)も泣いたんです」


アピチャートポン熱く反応

――では、最も難しい部分に。チット・プーミサックの詩をカラワンのスラチャイの亡霊が話すシーンは、非常に皮肉で、意図したかどうかは別として、タイの非常に複雑な部分を奇しくも描けたと思います。このアイデアは、元々、誰から出ましたか?

相澤「僕です。それはあの、僕たちはそのタイの今の政治状況が分かんないから、ただ、チット・プーミサックの亡霊が出るって事は決まってたわけです。シナリオで。それを誰にやってもらうかっていう部分でした。スラチャイさんはカラワンでプーミサックを歌ってるし。それで、物凄いレジェンドみたいな人っていうのは分かってるわけで。それでもね、俺、アンカナーンさんがOKって言ってくれたから、ひとりくらい行けるんじゃないかなぁ~と」

――順序がそうだったんですか。スラチャイさんを先に決めてると思ってました。

富田「でね、実はもう一人候補がいたんですよ」

――もう一人?

富田「ポンシット・カンピーに出てもらおうと思ってたんです」

――それはここで喋っていいんですか?

相澤「いいですよ。いいですよ」

富田「ポンシット・カンピーの楽屋へ乗り込んで行きましたから」

相澤「コンタクト取ったんですから、僕たち」

富田「ポンシット・カンピーがバンコクでコンサートをやったとき、控室にうちらの仲間が潜り込んだんです(笑)。シコウって言うんですけど、タイ語が堪能な地元の後輩で。実はこれまでの俺達の旅には、常にこのシコウが同行して通訳をしてくれていたんです。で、シコウがあるとき、「監督、僕、乗り込んで来ます!」って、ネクタイ絞めて、ポンシット・カンピーのライヴの控室に無理やりお願いして入りこんで、ポンシット・カンピーが目の前。シコウもカンピー・ファンだから」

相澤「カチカチです(笑)」

富田「カッチカチなんです。そんなこともあろうかと、一応、レジュメを作ってですね。ペラ1枚で、それをタイ語にして。どういう企画で、こういう役で、実はチット・プーミサックっていう人も出てきてみたいな。でも、ポンシットは国民的大スターだし、僕らの懐事情的にはチョイ役でのお願いだったんです(笑)。さっきの「田舎はいいね」がかかるショットで、ばぁ~って空撮で行くじゃないですか、で、下にサムローがビュ~って走ってるんですけど、そのサムローの運転手、ノンカーイでサムローを運転してるのがポンシット・カンピー。で、あの「君を買い戻す」を歌うライヴ・シーンのあそこでポンシット・カンピーが自身の「君を買い戻す」を歌っている。昼間はサムロー運転手、夜はあのパブでライブする地元のミュージシャン。しかもポンシットはノンカーイ出身なんで、これで決まりだと勝手に思い続けていました。笑」

――その絵はキますね!でも、残念ながら……。

富田「そう、それでシコウがそのレジュメを渡して「興味ある」って言ってくれたんです、最初。シコウが興奮気味に帰って来て「監督、いけるかもしれないっっ!!」って。でも待てど暮らせど返事が来ない(笑)。シコウに「ちょっと電話してみようぜ」つって、俺の目の前でマネージャーの人に電話したら、「ま、無いね!」(爆笑)と、あっさり」

――幻の名シーンでしたね。

相澤「そうですね、そんなわけで」

富田「その後、スラチャイさんに……」

――カラワンのリーダー、スラチャイ・ジャンティマトン。ポンシットよりさらに大物にアタック。

富田「スラチャイさんに直接、お話をしに行った時に聞いてみたんです、スラチャイさんからポンシットに言ってもらったらどうか。「おい、弟子よ、お前、なんで断ったんだ、あの話」みたいになるかなぁ?と(笑)。そしたら「あ、ポンシットは無理」とあっさりスラチャイさん。「あいつはもう、売れ過ぎちゃってるから無理だ」って(笑)」

相澤「だから、スラチャイさんの時は、豊田勇造さんに会いに行って、豊田さんがちょうどタイにいる時だったから、スラチャイさんのところ行く時について行って、一緒に紹介してもらって」

――豊田勇造さんは80年代にカラワンを日本に呼ばれた有志の方で、京都の方ですね。

富田「豊田さんとつながったのは、豊田勇造ライヴ@マンダラ2に虎ちゃんが乗り込んで行って、最前列で歌ってたら、なんだお前ステージに上がれって。豊田勇造ライヴでいきなりコーラスをさせられた、っていう。そこからです」

相澤「なんかもう、この段階では基本的に当たって砕けろ戦法。笑」

富田「日本とタイで分かれて同じ戦法でやってたというわけです。笑」

相澤「言ってみようぜぇ、って。心臓バクバクで豊田さんにシナリオお渡ししました」

――スラチャイさんをチット・プーミサックの亡霊役にしたのは、僕はね、ひょうたんから駒で、でも結果的に最高で、好意的に取りましたけど。あれはもう凄く重要で、ある種の痛烈な皮肉ですよね。

相澤「アピチャートポンが同じ事、言ってました」

(※アピチャートポン(・ウィーラセータクン)はカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞したタイの映画監督で空族の支援者。念のため)

――その凄い皮肉な感じが、ぐじゃぐじゃでいいんじゃないですか。タイっぽい彩を与えているような感じもあって。タイ、ほんとややこしいからね。政治。

相澤「本当、そうなんですよね」

――なんか、転向しちゃったりするでしょ?よく分かんなくなる。スラチャイさんみたいにね。

富田「それはアピチャートポンがまさに指摘してて。どうなんだ?お前、どう思ってるんだ?これはバンコクで上映の暁には、みんなでディスカッションしなければならないところだ!ってね」

相澤「スラチャイさんは、昔の自分として出たんだ」

――スラチャイさん、当然、今も有名人ですけど、たぶん、昔とは全然……。

相澤「グラミーのせいなんじゃないですか。笑」

(※注:グラミーは現在タイ最大手のレコード会社。80年代に中央タイ・保守層ウケの音楽を出すレーベルとして発足)

――グラミーも節操ないんすよね。どっちなのって。でも、基本的にはお金儲かったら何でもしますよね。

相澤「あん時の、2回目の赤のデモじゃない時にいっぱいプア・チーウィットのミュージシャンが出てて、みんながみんな転向してっちゃってという話も聞きました」

――このへんのことは例の本(『TRIP TO ISAN: 旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド』Soi48編著、DU BOOKS刊)に書いたんで、機会があったら読んでみてください。あの辺りの事情、なんでああいう風になったかって、ぱっと音楽聞いてもわかんないわけですよ。

富田「ぜひ読みます」

――スラチャイさんについては、この演出が結局一番良かったんじゃないですか?

富田「「昔の自分の亡霊を演じているという皮肉なんだと俺は捉えたぞ」ってアピチャートポンは言ってました」

=終=

(Special thanks: 麻生学)

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空族(くぞく):
映像制作集団。2004年、「作りたい映画を勝手に作り、勝手に上映する」をモットーに『空族』を名のりはじめる。常識にとらわれない、毎回長期間に及ぶ独特の制作スタイル。配給、宣伝も自ら行ない、作品はすべて未ソフト化という独自路線をひた走る。テーマは日本に留まらず、広くアジアを見据えている。公式サイト:http://www.kuzoku.com/

©Bangkok Nites Partners 2016

富田克也:
1972年山梨県生まれ。2003年発表の処女作、『雲の上』が「映画美学校映画祭2004」にてスカラシップを獲得。これをもとに『国道20号線』(’07)制作・発表。『サウダーヂ』(’11)ではナント三大陸映画祭グランプリ、ロカルノ国際映画祭独立批評家連盟特別賞を受賞。国内では高崎映画祭最優秀作品賞、毎日映画コンクール優秀作品賞&監督賞をW受賞。フランスでも全国公開された。最新作はオムニバス作品 『チェンライの娘 (『同じ星下、それぞれ夜より』)』(’12)

©Bangkok Nites Partners 2016

相澤虎之助:
1974年埼玉県生まれ。早稲田大学シネマ研究会を経て空族に参加。監督作、『花物語バビロン』(’97) が山形国際ドキュメンタリー映画祭にて上映。『かたびら街』(’03)は富田監督作品『雲の上』と共に7ヶ月間にわたり公開。空族結成以来『国道20号線』(’07)、『サウダーヂ』(’11) 『チェンライの娘』(’12)と、富田監督作品の共同脚本を務めている。自身監督最新作はライフワークである東南アジア三部作の第2弾『バビロン2ーTHE OZAWAー』(’12)。


5/18(木)『旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド Trip To Isan』刊行記念
Soi48タイ音楽試聴会 @ LOFT9 渋谷


渋谷LOFT9
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/63650

OPEN 19:30 / START 20:00
前売¥1,500 / 当日¥2,000(税込・要1オーダー500円以上)
前売券は4/15(土)正午12時よりe+にて発売!

【出演】Soi48(宇都木景一&高木紳介)http://soi48.blogspot.jp

【ゲスト】江村幸紀(EM Records)

いま、もっとも暑いワールドミュージック!
500枚のレコードと、 現地取材で明らかになったタイ音楽の真実。『TRIP TO ISAN』(DU BOOKS) を片手に、未掲載の写真や音源とともに、EM Recordsの江村幸紀氏を招いてイサーン地方の音楽の魅力を語ります。ルークトゥン、モーラム・・・など様々なジャンルのタイのレコードを聴きながら、タイ音楽の魅力、深層にせまります。タイのビールで乾杯しましょう!

イベントの予約はこちらから
http://eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002223043P0030001

公式ウェブサイトはこちら:
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/date/2017/05/18



=iroiro & citruss presents: Sawasdee Night Fever vol.2=
第3回 タイ音楽試聴会 in 福岡 (Talk & DJ Show) feat. 福岡タイ料理店


(以下公式インフォ転載)

回を増す毎に盛り上がりを見せている、タイ音楽の夕べと呼ぶだけでは事足りないイベント「SNF / Sawasdee Night Fever」が、4/28 (金) 福岡・天神にて開催決定!

今回は、今年4月末に新しくオープンする福岡のギャラリースペース「UNION SODA」に場所を移し、既に福岡でもお馴染みになりつつある EM Records 江村氏、Soi48 宇都木景一氏、高木紳介氏をゲストに招き、恒例のトーク& DJ ショーを老若男女ウェルカムな雰囲気で開催。

その華添え、味添えとして、アジアン・マルシェ・ガムランディー・そいさぼ・ドゥワンチャン・博多カオマンガイ万国屋・mon an ethnic 等、福岡の人気タイ料理店も豪華に集結。美味しいタイ料理&タイのお酒もお出しします!

Facebookイベントページ > https://www.facebook.com/events/1842877022641661/

※FBイベントページの参加ボタンは予約申し込みではございません。下記チケット予約方法よりご予約ください。
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iroiro & citruss presents
Sawasdee Night Fever vol.2
“第3回 タイ音楽試聴会 in 福岡 (Talk & DJ show)”  feat. 福岡タイ料理店

開催日:4月28日
会場:UNION SODA
住所 : 福岡市中央区大名1-1-3-201
地図 : https://goo.gl/maps/EebAjrg6Jou

Guest :
江村幸紀 ( EM Records )
Soi48 ( 宇都木景一&高木紳介 )

Open 18:00 / Close 23:00
Ticket : ¥ 2,000 ( 1drinks order )
✳︎FOOD&追加ドリンクはキャッシュオンとなります

■チケット予約方法
tel : 092-722-1616 ( 平日 : 9:00~17:00 のみ )
mail : iroirofukuoka@gmail.com ( 件名に「サワディー」で空メール) ✳︎ メールは24時間受付可

店頭販売 : 下記、FOOD出店店舗にて販売しております
✳︎店頭での販売は、4/6(木)からとなります

FOOD出店飲食店 :
アジアン・マルシェ / ガムランディー / そいさぼ / ドゥワンチャン / 博多カオマンガイ万国屋 / mon an ethnic / CITRUSS & SODA FOUNTAIN

協賛 : 荒井商事 / タイの台所
協力 : タイ国政府観光庁
______________________________________

■タイムテーブル
18:00 〜 19:00 … DJ : Hassi
19:00 〜 20:15 … EM と Soi48 によるトークショー「タイ音楽ってなんだ? – 第3弾 – ルークトゥンが分かった!の巻」
20:30 〜 21:30 … DJ : 江村幸紀
21:30 〜 23:00 … DJ : Soi 48
23:00 〜 24:00 … 未定
______________________________________

about:

◇ EM Records (エム・レコード)
南大阪を拠点にポップス〜実験音楽まで新旧問わず独自の観点でリリースを行う音楽探究型レーべル。世界中にファンがいる。2017年も精力的にタイ音楽のリリースを続ける予定。大ヒットした『バンコクナイツ』トリビュート・シリーズは現在第3弾まで完成し続編にも期待大!
http://emrecords.net/

◇ Soi48 ( 宇都木景一&高木紳介 )
タイ音楽を主軸に世界各国の音楽を発掘・収集するユニット。中でもタイのビンテージレコードの収集と探究では国内外で高い注目を集め、今年4月8日(間近!!)には自身初の執筆本となる「TRIP TO ISAN : 旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド」が出版される。映画「バンコクナイツ」(福岡では4月8日~14日KBCシネマにて上映)の音楽監修も務めた。
http://soi48.blogspot.com/


4/29(土)@福岡トークイベントのお知らせ

Soi48著「旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド」出版記念
Road To バンコクナイツ 〜タイ音楽の魅力を語る〜@福岡Rethink Book


(以下公式インフォ転載)

4/29 Soi48×江村幸紀 トークイベント #福岡

祝!空族映画最新作『バンコクナイツ』福岡上陸! !
(4/8~14 夕刻 KBCシネマにて1週間限定の先行上映)

この春、NHK総合とeテレに出演したDJユニット、Soi48(そい・よんじゅうはち)が約5年間の取材期間を通じて編纂したタイ音楽の世界初のディスク・ガイド『旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド:Trip To Isan』の出版を記念したトークイベントを開催します。

単に盤を羅列したレコードマニア向けの書籍ではなく「旅+レコード+現地での出会い」を想起させる写真を多数掲載。60年代から活躍する現地アーティストやプロデューサー、各国レーベルへのインタビューを掲載し、タイ音楽の魅力を多角的に示す画期的な1冊となっています。

この日は、同書の執筆・編集に携わった江村幸紀氏(エム・レコード)が聞き手となって、関係者のみ知る文字に出来ない(?)裏話や出来事を公開。Soi48が選曲に関わった映画『バンコクナイツ』サントラ盤、映画のトリビュート作品でのstillichimiya、坂本慎太郎、VIDEOTAPEMUSIC、井手健介との交流エピソードなどなどを織り交ぜて、賑やかにお贈りします。

当日はエム・レコードの物販コーナーも設置し、Soi48監修のタイ音楽シリーズやタイの現地オリジナルRARE盤も即売します。この日を機会にあなたとタイ音楽が近づく良き日となりますように。サワディーカー!!

*席数が限定となっていますので、お早めの予約をオススメしています。

チケットの予約はこちらから

http://rethinkbooks.jp/event/3141

Facebookイベントページ

https://www.facebook.com/events/1503277776363124/

※FBページの参加では予約扱いとなりませんのでご注意下さい。

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2017年4月29日(土)15:00〜17:00
at Rethink Books

<TALK EVENT>
Soi48著「旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド」刊行記念
Road To バンコクナイツ 〜タイ音楽の魅力を語る〜

⚫︎ゲスト:
Soi48(宇都木景一&高木紳介)
江村幸紀(エム・レコード)

⚫︎料金:¥1500+1drink order (限定30名)
先着限定でタイにまつわるお土産をプレゼント

⚫︎協賛: 荒井商事株式会社、タイの台所/株式会社アライドコーポレーション

⚫︎ご予約/お問い合わせ:
Rethink Books ~本とビールと焼酎と~ with ploom TECH
福岡市中央区天神1-10-24
092-406-7787 (11:00〜22:00)
http://rethinkbooks.jp/

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<本の主な内容>
初心者でもわかる詳細な歴史&用語解説
7インチシングル500枚、12インチ100枚、タイ現地盤100枚をオールカラーで紹介
レコード発掘コラム
観光ガイドには載らない旅コラム(食べ物、カルチャー)
空族、江村幸紀(エムレコード)、マーク・ジャーギス&アラン・ビショップ(SUBLIME FREQUENCIES)によるコラムも収録

<プロフィール>
Soi48(宇都木景一&高木紳介)
空族の新作映画『バンコクナイツ』にDJとして参加、EM Recordsタイ作品の監修、『爆音映画祭2016タイ|イサーン特集』主催。 東南アジアでのDJツアーや、Quic Japanでの寄稿、トークショーやラジオなどでタイ音楽や旅の魅力を伝える活動を積極的に行っている。 CDジャーナル、boidマガジンにて連載中。 英Wire Magazineにも紹介された、『Soi48』というパーティーを新宿歌舞伎町にて不定期開催中。「TRIP TO ISAN :旅するタイ・イサーン音楽ディスクガイド」(DU BOOKS)を4月8日に発売決定。
http://soi48.blogspot.jp/

江村幸紀(えむらこうき)
エム・レコード(EM RECORDS)運営。エム・レコードは大阪を拠点にポップス〜実験音楽まで独自の視点でのリリースを行う音楽探究型レコード・レーべル。世界中にファンがいる。16-17’も精力的にタイ音楽のリリースも含め日本や欧米のみならず、世界中に向けて独自の音楽観を発信し続ける動きには目が話せない。
http://emrecords.net/


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